2009年11月05日

夜明け前


晴れ後曇り。

「夜明け前」って言っても、
島崎藤村ではないし、
木曽の酒でもない。


この時季なので、
この時間帯はまだ暗かった。
暗く静かな街中を走り抜ける。
ちょっと心地好い。
と思いながらもふと空を見回せば、
既に東の空は白みかけていた。

考えてみれば。
この時間帯には既に一仕事終えていた、
なんて事は、入社してから10年近くの頃までは、
月に最低4~5回はあった。
随分とぐうたらになったもんだ。

高速、更埴を過ぎる頃には、
辺りはかなり明るくなってきた。
朝方のマジックアワーといったところか。
ところどころに朝靄が立ち込めていて、
それを高速道の上から見下ろす事ができた。
それはそこだけ、陽に照らされかけつつも、
ふっと綿を敷いたようだった。
ああ、当然、その地区だけは霧の中なんだなぁ、
と思いつつ、
こんな景色を常々見られるのは、
トラックドライバーなんだなぁ、
とも思った。
物流を支えてくれているのだから、
そんな朝の静けさの中の美しい景色を見られるのは特権だろう。


伊那へ。
リニューアルオープンの店の陳列応援を手伝ってから、
合同商談へ。

リニューアルオープンの店では、
大量に自社商品が納品されていた。
当たり前だ。
あり得ない価格になっている。
月末の納価差額補填がコワイ…。

商談の方は可もなく不可もなく。
80点くらいの出来か。
あとの20点を加えられるか、
はたまた減点を喰らうかは今後の2週間にかかっている。


どシロの観た日本シリーズ。
と言ってもLIVEで観たのは7回くらいから。
隠れたヒーローはゴンザレスかも知れない。
1イニング2エラーで1失点しても、
その1点に抑えて終盤まで繋いだ。
もちろん、ファイターズの藤井の好投も光ったのだけど。
でも、得てして試合の流れは押しきれないチームに流れない。
そして、梨田監督はこの夜も石橋を叩いた。
多分、野村でさえも、岩隈や田中でない限りはそうしたろうし。
その8回、一つのDBから始まった。
ムード的にもファイターズには嫌なDB。
ここから、ここにも隠れたヒーロー。
それは代走の鈴木。
盗塁の素晴らしさもさることながら、
林の牽制悪送球に対する反応の速さがさすがだった。
あの動きは是非とも少年野球にも浸透させたい。
そして陥れた3塁。
ここで大道の放った一打は、
定位置だったら普通のセカンドライナー。
これが前進守備の頭上を越す。
押せ押せムードの中で打たせた一打でもあると思う。
が、やはり3塁にランナーがいた事が大きい。
ところが、9回表に高橋が本塁打。
ここでガックリしがちだが、
後にヒーローインタビューを受けていた阿部が言った。
「諦めていなかった」と。
追い風はジャイアンツに吹いていたようだ。
それでもマウンドにはファイターズの絶対的な守護神、武田が登った。
しかしここにも、ジャイアンツに何か起きそうな気配はあった。
何故なら昨日の試合、
武田相手にジャイアンツは粘っていたのだ。
これまで今一つピリっとしていなかった亀井が、
前打席での凡退にとても悔しがっていた。
亀井の一発は出会い頭とは思えない。

今日の一戦。
一昨日同様にミスを破壊力の打線で帳消しにした。

ファイターズがジャイアンツ打線に恐怖感を抱くようになると、
明日、一気に決まってしまうと思う。
明日に決まるとしたら、
場合によっては5点差以上はつくかも知れない。

但し。
一日、移動日を挟み、
更に場所は東京ドームよりホームランの出にくい札幌ドーム。
ファイターズに勝機が無いわけではない。


果たして、
どちらに夜明けが訪れるのだろう。


なんてね…。
個人的には、
現役時代に日本シリーズを経験しながら、
結局、一度も日本一になれていない梨田さんにも肩入れしたいが…。
(元“近鉄”バッファローズファンの呟き…)  


Posted by zuky at 23:50Comments(5)koukai日誌