衝撃

zuky

2009年11月10日 23:23


晴れのち曇り。
夜半より雨。


朝、早めに事務所に赴き、
マネージャーと合流して今日の見本市の準備をして。
そして飯田へ出発。

ハンドルは僕が握り、
歓談を交えながら高速道を進んだ。
旧四賀村までは晴れていたが、
豊科トンネルを過ぎると、
名物の霧が立ち込めていた。
犀川付近はこの時間帯に霧が多い。
しかしそれも豊科ICに近づくにつれて晴れてきた。

朝陽の中を順調に車は進む。
塩尻北ICを過ぎて塩嶺トンネルまでの直線を走り抜け、
トンネルを2つ潜って、
岡谷ジャンクションを飯田方面へ。

暫くすると、
2車線あるうちの左側車線が工事の為に走行禁止となり、
右側の1車線のみの走行となった。
たまたま自車が先頭となり、
後ろに何台かを従えて常識的な速度で走っていた。
その間もマネージャーと会話は続いていた。
その時だった。
前方、左側の山の斜面から1匹の猿が駆け下りてきたのが目に映った。
少し嫌な予感はした。
そして。
猿はいきなり道路を走って横切ろうと自車の目の前に飛び出て来た。
急ブレーキ。
ギリギリのタイミング。
速度は、高速道に於ける“常識的な”速度。
止まりきれるワケは無い。
右前部に、「コツンッ!」と嫌な音がした。
咄嗟に気になって右前方を見回すと、
跳ね飛ばされた猿は中央分離帯を転げていた。
それでも猿は走ろうとしていたので、
少なくとも即死とかいう状態ではなかったと思う。
少なくとも轢いてしまわなくて良かった。

もちろん、高速道でのエマージェンシーブレーキ。
後続の車も相当に慌てたと思う。
後続車両は咄嗟にパイロンの間を縫って、
走行禁止になっている左側車線に抜けて、
自車への追突を回避してくれていた。
その車のドライバーも大したもんだ。

どうしようもない展開だったが、
もし僕が急ハンドルを切っていたら、
車は横になっていたかも知れない。
もっとキツいブレーキングだったら、
後続車両に追突されていたかも知れない。

いろいろな“かも知れない”が考えられた中、
飯田に着いてから、その話を他のメーカーの人としていたのだけど。
「途中で寄ったSAでもっとゆっくりしてれば良かったかなぁ」
と僕の言葉を受けて、あるメーカーさんの一言。
「判んないよぉ、そのせいで山から飛び出してきた猪に当っちゃったかも知れないじゃん!」
う~ん、モノは考え様。


見本市の途中、2時から3時まで抜け出して、
あるスーパーさんと商談。
戻ってきてから4時近くまで見本市での対応。

見本市も終わりに近づき、
そこの支社長さんが、
「メーカーの皆さん、お寿司でも食べて下さい」
と、デモンストレーションで握られていたお寿司のコーナーに呼んでくれた。
少しだけ頂いたが、
水産市場なだけにネタが美味しかった。


帰宅後、食事を摂りながら何気にテレビを見ていたら、
まずニュース速報で、
森繁久彌さんの訃報が伝えられた。
また昭和の一つが消えた。
それから1時間と経たないうちに、
またニュース速報。
外国人女性の殺人と死体遺棄容疑の容疑者が、
長い逃亡の末に身柄を拘束されたとの事。

こんなに短い時間の中で、
衝撃的なニュース速報が2本流れるのも珍しい。

そして。
ダルビッシュが実は日本シリーズの前から、
右手の指を疲労骨折していた、というのも衝撃の事実だった。
但し、日本シリーズでの彼の投球は、
彼がベテランになっても、怪我さえなければ充分にやっていける事を証明した。


報道ステーションで流れていた森繁さんの言葉が深い。
「眼は見えるとやっかいだ、見えるから余計なものまで見てしまう」

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